消費者トラブルに巻き込まれないためにはどのような知識・行動が必要か?
ここでは最も相談の多いインターネットでのトラブル事例を元に、その対処法を見ていきましょう。

事例1 退会処理のために請求された料金を支払ったら、次々と料金請求メールが届く

携帯電話に身に覚えのない有料サイトの登録完了メールが届いた。覚えがないため退会申請のボタンを押したら、5,000 円を支払うようにというメールが何度も届くようになり、面倒になったので電子マネーで支払った。これでしつこいメールが今後は届かないと思っていたら、その後も退会手続きをするようにという同様のメールが執拗に届き、今は30 万円を支払うようにといってくる。これ以上関わりたくないが、自宅などに請求に来られたらと心配だ。

解説
■ 架空請求の名目が「デジタルコンテンツ」という形のないものに変わっています 「コンテンツ利用料」などといった形のない名目の請求は、目に見える商品より買ったか買っていないかの認識が曖昧になりがち。相手にとってはそこが付け目です。
■ 請求手段が「電子メール」になり、より多くの人が巻き込まれやすくなっています 業者にとってメールは、安価なコストで不特定多数の人に請求できる手段。また本人が悩んでいても、周りの人がそのやり取りに気づきにくく、対応が遅れがちです。
■ 消費者を不安にさせて、業者に連絡をとらせようとしています 「裁判」「法的措置」などの言葉を使って不安感をあおり、連絡をとらせようとします。
トラブル防止策
■ 請求者に連絡しないこと 「退会処理希望の方は本日中に大至急連絡ください」などと書かれていても、あわてて請求者に連絡をしてはいけません。詳細を確認しようとして業者に電話をしてしまうと、業者に電話番号を知られてしまうことになり、より個人が特定されてしまいます。
■ 利用した覚えがない請求は、支払わず無視すること サービスを利用していなければ、料金の請求を受けても無視すること。「これ以上関わりたくないから」との理由であっても、請求に応じることでターゲットにされ、要求がエスカレートしていきます。
■ まず消費生活センターに相談を。悪質な場合は警察にも 支払い義務があるかどうか自分でわからない場合や不安になった場合は、一人で悩まず消費生活センターに相談しましょう。相談の際には、請求を受けた電子メールの画面やハガキの他、現金を振り込んだ場合は振込票などの記録をできるだけ残しておくのがいいでしょう。脅迫された場合や身辺に不安を感じる場合は警察に相談することも考えます。
事例2 無料アプリをダウンロードしたら業者から料金を請求する電話があった。

スマートフォンのアダルト情報サイトから動画再生の無料アプリをダウンロードする際に年齢、認証画面をクリックしたところ、料金の振込先の表示が現れた。その後、高額な料金を請求するメッセージが数回現れたが、無料のはずだと思い無視していた。ただその後、氏名も業者名も名乗らない者から電話があり、「今日中に振り込まないと料金が60 万円になる」と言われた。

解説
■ スマートフォンの普及により、不正アプリによるトラブルが増えています。 スマートフォンの利用時のトラブルの中には、個人情報を抜き取るアプリがあることも報告されています。「動画を見たい」「ゲームをしたい」といった欲求に負け、公式マーケット以外の怪しいサイトから安易にアプリをダウンロードしないこと。アプリをインストールする際には慎重になることが肝心です。
トラブル防止策
■ アプリをインストールする際はアプリが許可を求める権限をきちんと確認する アプリのダウンロードを指示する画面では、そのアプリがどのような情報にアクセスするかを示す「アクセス許可」の画面が表示されます。例えば、事例の様な動画再生アプリが「連絡先データの読み取り」を求めるのは不自然。アプリの機能、性質を考えて、不要な権限を求めるアプリには要注意です。
■ レビューの数やその内容をチェックしたり、開発元を検索したりして評判を調べる アプリをダウンロードする際には開発元が信頼できることを事前に確認してください。公式マーケットでは不正と判断されたアプリは削除される仕組みになっているため、公開後長い期間を経ているアプリは、危険なアプリを回避する一つの目安になります。
■ セキュリティソフトを利用する セキュリティソフトの中には、インストールしようとするアプリの安全性を事前にチェックし、アプリが端末の情報を外部に漏えいする可能性のある場合、警告メッセージを表示する機能を搭載したものもあります。こういったセキュリティソフトを利用することで、適切なアプリ選びができるようになります。
事例3 ネット通販で買ったスニーカーが偽物だった。

ブランド名で検索し見つけたサイトで、海外ブランドのバスケットシューズを2足注文し、代金2万円を個人名義の銀行口座に振り込んだ。スニーカーは中国から届き、粗雑な作りでブランドのタグも付いていなかった。おかしいと思い実店舗で見てもらったところ「本物ではない」と言われた。メールで解約を申し出たがいっこうに返信がない。クレームの電話を入れようと思ったが、サイトをよく見ると住所も電話番号も載っていなかった。

解説
■ 「前払い」はトラブルに対して金銭的な救済ができない 支払い前の契約を破棄したり解約したりするのに比べ、支払いが済んでいるものの返金は、相手に「返金」という行為をさせる必要があり困難を伴います。前払いネット通販は、この点で、金銭的な救済が難しくなります。
■ 確実な連絡手段がないので、業者と交渉することができない 多くの場合、ネット通販では業者との連絡手段は電子メールのみで、業者の所在や運営状況などの実態は分かりません。相手が返信してこない限り、連絡手段すらないので、業者と交渉することができません。
トラブル防止策
■ 代金前払いのリスクの大きさを認識する 先に代金を支払ってしまうと「商品が送られてこない」場合だけでなく、送られてきた商品に問題があったときでも、それらのリスクはすべて消費者が負うことになります。そのリスクをあらかじめ認識しておきましょう。
■ 法律で定められた情報がきちんと表示されているか確認する 特定商取引法においてネット通販では、事業者の住所と電話番号(確実に連絡が取れる番号)をサイト上に表示することを定めています。住所や電話を偽装している場合もありますが、少なくともそれらが表示されていない通販サイトは信用しないことです。
■ 個人名義の銀行口座に前払いしない 寄せられる相談を見ると、前払いのネット通販のトラブルは、屋号やネットショップ名を含まない、個人名だけの名義の口座への振り込みであるケースが圧倒的に多くなっています。個人名義のみの銀行口座への前払いでの振り込みはしない方が賢明です。
■ 振り込んでしまった場合は、銀行と警察、消費生活センターに相談する 申し込む前に少しでも分からないことや不安なことがあれば、消費生活センターに相談しましょう。振り込んでしまって商品が届かなかったりコピー商品が届いたりした場合は、代金を振り込んだ銀行と警察に状況を報告し、出来る限り早く消費生活センターに相談してください。