「循環型社会」をめざして
私たちはいま豊富な物に囲まれた快適な生活をしています。
しかしそのような快適な生活が、限りある地球の資源を大量に使い、大量のごみを排出する、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会を生み出してきました。
このままでは私たちの暮らしを支える地球の資源は枯渇し、世界はごみであふれてしまいます。そこで、このような社会のあり方を根本的に変えて、地球から採取する資源をできるだけ少なくし、リサイクルなどを進めて有効に使うことで、廃棄されるものを最小限におさえる社会へ変えていこうというのが「循環型社会」という考え方です。
このような「持続可能な社会」を実現していくためには、国や企業だけではなく、私たち一人ひとりが自分の生活を見直すことが必要です。できるかぎり無駄な商品は買わない、ひとつのものを長く使うことで、生産や消費を抑えてごみを減らす、不要になったものは必要な人に譲ったり、詰め替え式の商品を利用したりする、廃棄処分にする場合には分別を行い、再生できるものは資源として再利用する、など、まずできることから始めることが大切です。
「グリーンコンシューマー」になろう!
直訳すると「みどりの消費者」。例えば買い物をするときに、マイバックを持っていくことで無駄な包装を減らしたり、少し高くてもできるだけ環境にいい商品を選んだり、なるべく長く使えるものを選んだり…といった、地球環境や社会全体に対する意識の高い消費者のことをいいます。以下に「グリーンコンシューマーの買い物10の原則」の中から、そのいくつかを紹介しておきます。現状ではこのすべてを実行するのは難しいかもしれませんが、だからといって何もしないのではなく、できることから一つでも実行していきましょう。その小さな積み重ねが、ライフスタイルを変える大きな効果を生み、社会を変えていく大きな原動力になるのです。
【参考資料】
認定NPO法人 環境市民 ウェブサイト (グリーンコンシューマー全国ネットワーク作成 より)
■ 必要なものを必要なだけ買う 地球上で人類が生き続けるには、先進国の過剰な消費を押さえていく必要があります。本当に必要かどうかを考えてから買いましょう。
■ 使い捨て商品ではなく、長く使えるものを選ぶ 最初から使い捨てを前提に作られたものを買うことは、資源枯渇と環境悪化を招きます。ごみになるまでの時間が長いもの、修理しながら使えるものを選びましょう。
■ リサイクルされたもの、リサイクルシステムのあるものを選ぶ リサイクルする社会の仕組みがあり、きちんとリサイクルされている商品を選びましょう。
そうすることでリサイクルの需要が生まれ循環型社会が進みます。
■ 容器や包装はないものを優先し、次に最小限のもの、容器は再使用できるものを選ぶ 過剰包装はいりません。量り売り、はだか売りのものが一番です。どうしても容器の必要なビールやジュースは、リターナブルびん入りのものを優先的に選びましょう。
■ 作るとき、買うとき、捨てるときに、資源とエネルギー消費の少ないものを選ぶ 商品は、資源とエネルギーを使って作られ、使われ、そしてごみになります。そのすべての過程で資源とエネルギーをムダにしない商品を選びましょう。
■ 近くで生産・製造されたものを選ぶ 商品の輸送にはエネルギーが必要です。国内産のものや地場のものは輸送エネルギーが少なくてすみます。しかも野菜、魚は地場物なら新鮮で栄養も豊富です。地域の産業を育て、顔の見える関係をつくることにもなります。
■ 作る人に公正な分配が保証されるものを選ぶ 発展途上国の人々の労働に対してそれに見合う対価が支払われていないことが多くあります。またそのような生産現場では環境破壊も進んでいます。フェアトレード商品を継続的に購入することは、途上国の人々の生活支援と経済的自立を応援することにつながります。
■ 環境問題に熱心に取り組み、環境情報を公開しているメーカーや店を選ぶ グリーンコンシューマーは環境を大切にしようとしている企業を応援します。そのことで企業の環境情報の公開が進み、消費者がよりメーカーやお店を選びやすくなります。